2023年4月14日更新

スポーツを通してみんなで作る共生社会、パラすぽラボとは⁉(2/2)

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チーム用TOP画面のデモ

記者.パラすぽラボで、スポーツチーム・団体にとって特に力を入れているところやこだわりや魅力などがあれば教えてください。

妹尾.機能面・詳細の話になるのですが、登録して見学希望を待つだけのような、そんなアプリにはしたくなかったので、チーム側からユーザの方にオファーを出すような機能であったり、実際に登録後にこのアプリの中で、SNSのように日々の活動の様子だったり、例えばイベントの告知だったり、そういったものを写真とかを交えて告知、掲載できる機能をつけています。

開発していく中で、開発陣とすったもんだあって、いろいろもめた末に今、スレッド機能というのを作ってます。簡単に言うといわゆるネット掲示板です。

障害者への指導方法について悩んでいるチームがありますと、そこが実際に掲示板にスレッドを立てて、「こういう障害者のみなさんにどういう風にご指導してますか?」みたいなスレッドを立てると、実際にユーザの方だったり、あとは他のチームですね。その方とかがそのスレッドに「うちでは例えばこうしてますよ」とか、「こういう風なことを聞いたことがありますよ」とか。「わたしだったら例えばこうしてもらったら嬉しい」とかを自由に書き込める。そういうスレッド機能をつけています。

先ほど申しましたSNS感覚ではないですけど、そういうところに重点を置いて開発をしています。あと、チーム同士で相互に個別メッセージ、チーム同士だったら簡単にコミュニケーションを取れるようにもしています。例えば、その意図として、同じ地域で、同じかよく似た競技をされているチーム同士が、それぞれでコミュニケーションを取り合って、仲良くなれば、合同練習だったり、練習試合だったり、組めたりすることが出来ます。そうすれば少しずつですけども、そこに登録されている障害者(ユーザ)の方の輪というのがだんだんと広がっていくと思うのです。そういう意味で障害者支援の輪が広がってほしいなと思ってっています。

記者.ありがとうございます。それではユーザにとって特に力を入れているところ、こだわり、魅力などをおつたえいただけますでしょうか?

ユーザー用TOP画面のデモ

妹尾.まず、ユーザにとっては何よりも大切なことはプライバシーの問題ですね。アプリの中では、ニックネームで表向きにはご利用いただけます。実際に見学に行った際に、登録するチームの方だけに本名を名乗ればいいだけなので、アプリの中では完全にプライバシーを守られる、そういった状態を作ってます。

次に、チーム側からのオファー機能ですね。実際にオファーが届くと、今までやったことのない競技っていうのは、障害を持とうが持っていなかろうが、けっこうハードルが高かったりしますよね。そんな時、自分の障害区分をわかった上で、オファーが届いた際、よろしければ見学とか体験をしたいと言っていただければ、ひとつのきっかけ、一歩踏み出すことになるのでは?と思います。

ほかにも複数のチームにメンバー登録ということも、地域でいくつかチーム登録があればの話になりますが、ご登録いただいていれば、(チームの)活動日がまちまちになっているとしても、それをアプリの中のカレンダーでまとめて閲覧していただくことができます。それを日常の通院のタイミングだったり、他のプライベートなスケジュールとか含めてGoogleカレンダーとかで管理されている方には、ボタンひとつで、自分が参加する活動だけをGoogleカレンダーに連動させて飛ばすこともできます。

チームに所属した場合に、このアプリの中で簡単に出欠確認ができます。と言うようなユーザ目線で、少し、便利な機能も作っています。

チームを含めてのことなんですけども、機能に関しては、今はよかれと思っているようなことなども含めて、なるべく入れているのですが、納期の問題もありますので、リリース後に、もっと使いやすいようにアップデートしていければいいなと思っています。

記者.ありがとうございます。パラスポーツの取材をいくつかさせていただく中で気づいたのですが、前向きな、「障害があっても」という発想が多く見受けられました。わたしなどでは「障害があるから辞めておこう」とかマイナスの方向に引っ張られるのですが、プラスの方向に発想が行かれるのは素晴らしいなと思いました。

妹尾.開発する前段として、どこを見て開発するかを考えたときに、障害者の人数って日本国内で1,000万人といわれているんですね。それで日本の人口を1億2,000万人だとすると12人にひとりになります。人口は減っていっているんですが、障害者の人数は増えて行っています。

その中で1億なんとか政策などと、いろいろいわれていますが、障害者の方、個人個人も社会に出て行ってほしいと思いますし、周りもそれを求めていかないと日本全体の経済、「わたしは福祉と関係がない」という人であっても、「決して関係ないことはないんだよ」と訴えたい、それをいつも思っています。

実際に昔、文科省がアンケートをとったものなんですけど、障害をお持ちの成人の方に聞いたアンケートがあります。成人するまでは支援学校でも体育の時間等あったと思うのですが、成人の方に「スポーツをどれぐらいやりますか」と聞いた際、「定期的にスポーツをやります」と言った方が2割もいなかったんですよ。2割もしていないのが健常者の半分以下で、衝撃的でした。また、もっと衝撃的だったのは、約6割の方は1年間で1日も運動していないというものでした。ショックでしたね。

その方たちはなんとかしたいと思っておられる。その2割弱の方は「定期的なスポーツを誰とやってますか」と聞いてみたら、複数回答なんですけど、「一人で」が40%、「ご家族と一緒に」というのが39%と半数以上の方が一人ないしご家族の方とスポーツをしているということになります。

つまり、6割の全くしない方、2割のスポーツをしている方のさらに半分は「スポーツが社会的接点になっていない」ということです。

先ほどの有名な言葉にもありましたが、心理的な要素もあると思うのですけれども、スポーツが社会的な接点になってないというのがけっこう衝撃でした。もちろんスポーツをやってない6割という数字も健常者の倍以上の数字であり、アプリではその方々を除外するわけではなく、いまパラアスリートとしてパラリンピック、レフリンピックを目指している方よりもむしろ、スポーツや運動していない方、していたとしてもご家族と近所をお散歩している方たちが、もう少し社会接点のきっかけになるようにしていければと思っています。

記者.ありがとうございます。その他今回の質問では伝えられなかったこと、伝えておきたいことなどがありましたら、ご自由にお伝えください。

妹尾.実際にご説明させていただいたプラットフォームというのをユーザ、チームともに完全無料でご利用いただこうと考えております。実際にマネタイズと言うか事業としてのマネタイズは、アプリ内の広告料のみで今のところ考えているのですが、最近よくあるのが、サブスク式だったり、月額制だったり、広告非掲載にするための課金だったりというのがいろんなアプリでも見られますが、パラすぽラボでは大手広告会社の広告システムというのは取り入れておりません。

あくまでパラすぽラボというアプリや活動にご賛同いただいた企業様や団体様の広告掲載だけを考えてるのですが、そういう賛同いただけたところだけの広告掲載なので、広告非掲載という選択を取っていませんので、チームとかユーザからお金を取るということは考えておりません。ただ、もちろん、広告が邪魔で視認性が悪くならないように広告設計を行っております。

記者.この特集をご覧の皆様や悩んでおられる方や当事者の方へメッセージをお願いします。

妹尾.このアプリのリリースは今年の春に予定しております(注:2023年4月にリリースを開始しました)。ユーザの方にはもう少しお待ちいただくことにはなりますが、現在、チーム、団体の事前登録を行っていますので、アプリはリリースできてなく、パラすぽラボの公式ホームページからのみ(登録を)行っていますが、是非ご登録いただければと思っております。

「みんなで作る共生社会」というキャッチコピーで進めていますので、障害者の方やそのご家族だけが頑張れば良いというような社会ではなく、健常者を含めたチームだったり、運営されている皆さんにもぜひご協力いただければと考えています。

今回リリースに当たって、もし進捗あれば、インスタやTwitterのアカウントも作っていますので、そちらの方をご登録いただければ、最近は少し更新がおろそかになっていますけども、リリースに当たってはこちらの方で案内させていただきますので、是非ご登録お待ちしています。

より多くのユーザの方とチームにご登録いただいて、すこしでも障害者の社会接点のひとつになるように頑張って参ります。

記者.ありがとうございました。

妹尾.ありがとうございました。

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ペルオンとは?

ペルオンはホープグループ、ミッション株式会社を母体にしたペルオン実行委員会が制作してるポータルサイトです。

障害の当事者が作る当事者目線のサイトが作れないかと思い、サイトを立ち上げました。ペルオンという名前はPersonnes handicapées(ペルソンヌ・オンディキャピー)の略で、障害者仲間という意味からとりました。

当事者会・支援団体・家族・地域・職業・年齢などの枠を超えて、障害者に関係する全ての人が連携して、さまざまなことにチャレンジし、障害者の可能性を探ってまいります!

ペルオンに興味を持ったあなた!もうすでに、仲間なんです。

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