記者.ちなみにがらっと話が変わるかも知れないけれど、障害にまつわることでたとえば子どもの頃でなにかエピソードとか、仰天エピソードとか、これは悲しくて辛くてみたいなのでもいいですけどなにかあれば。
浦田.発達障害とはちょっと違うのですけど。私、あの幼稚園の頃から場面緘黙症って言って、一言もしゃべれない子供だったのです。だからクラスメイトから、からかわれたりしたことも、結構あるのです。あまりにもしゃべらないからです。「「あ」って言ってみて?」ってよく言われるのです。そんなことがあったり。あとはそうですね。つらいだけの話ですが、「何人かのグループに別れて」って言われた時に、「一緒になる人がいないからどうしよう」ってなったりとか。ありましたね。
記者.友達はどうでした。
浦田.友達は……。面倒見てくれる子はいたりいなかったりしましたね。
記者.今も、続いている友達とかいます?
浦田.めったに会わないのですけど中学時代同じクラスだった子がいて、なぜかその子とは話しやすくて。大人になっても続いていますね。
記者.ちなみに今日はどうですかね。ぶっちゃけた話、緊張されてるとか。いやいやそんなことない。ここなので安心してしゃべってるとか。今、どんな感じなのかなと思って。
浦田.今は会社にいる時よりリラックスしています。
記者.よかったよかった。
浦田.会社にいると緊張するのですよね。
記者.昼休みとかね。みんなでご飯食べたりするのですか。
浦田.大体の人がみんな一緒に食べています。私は、一緒に行く時もあったり、人数が多い時はいけない時もあったりとかします。
記者.みんなで食事するのは抵抗ないですか。職場の人とご飯食べたり。お弁当ですか。
浦田.お弁当ですねいつも。
記者.よく一人で食べたり輪の中に入るのが苦手な人が居るけれども。浦田さんは?
浦田.私は本当は入りたいんです。本当は話しをするのが好きなのですけど。でも、しゃべらない人間が輪の中に入って行って、「なんで居るの?」て思われたらいやだなって思ったら――。そうやって思ってしまったら行けなくなって。行かないことも多いですね。
記者.ちなみに緘黙症だったって話をお聞きしていたのですけど。今は結構しゃべられたりしてる感じがしていて「克服されてきていらっしゃるのかなぁ」という感じがしたのです。ちなみに「なにがきっかけで変わってきた」という感じがあったのでしょうか?伝えることができそうでしょうか?
浦田.ちょっと「変わった」のは高校に入った時ですね。中学までは地元の家の近くの学校に通ってたんですけど。高校で地元の人が全然居ない高校に行ったので。私のこと全員知らないじゃないですか。しゃべらない人間だってことを知らない人間ばかりなので。ちょっとそこでチャンスだって思って。ちょこちょこしゃべれるようにはなりました。
記者.その高校でちょこちょこ喋れるようになったのがきっかけ。そこから変わってきた感じ?
浦田.そうですね。ちょっとずつですけど。一番大きなきっかけは高校の入学だったと思います。
記者.その中には溶け込みやすい雰囲気とか話しやすい同級生がいたとかそういうことですか? そうじゃなくて。入った時。なにか気の合いそうな人がいたとか。
浦田.それは、中学とか小学の時とかも居て。その人たちとはしゃべれたんですけど。しゃべってるところを見られても大丈夫ってなったのは高校に入ってからです。だから、しゃべれないっていうのを知らない人たちの中に入ったのが克服するきっかけになったと思います。
記者.ある種、偏見のない環境。
浦田.そうですね。「しゃべらないやつ」って思われたら、次、しゃべりにくいじゃないですか。それをすごく感じてしまう。特性なんです。
記者.ちなみに今回のインタビューっていうのはペルオンっていうサイトがあって載せさせていただくかたちになるんですけれども。特に発達障害の当事者さんとかで悩んでらっしゃる方とか困ってはる方もきっと見に来られると思うんですよ。その当事者さんにメッセージとかこんなことあったらいいよとか、こんなところをこうしたらいいよとか、なんでもいいのでメッセージ的なことがあれば。
浦田.メッセージ。「無理しないで進んでいってください」って思います。あと、仕事の流れの中で細かく目標を区切ってその目標を達成するためにがんばろうって思うのは、おすすめです。達成感。細かく決めたらその分、「これ達成した、これ達成した」っていう数が多くなるのでその分達成感も多く感じられるんじゃあないかなと。
記者.ありがとうございます。では、この辺でインタビューを終わらせて頂きます。浦田さん、今回はありがとうございました。
ペルオンとは?
ペルオンはホープグループ、ミッション株式会社を母体にしたペルオン実行委員会が制作してるポータルサイトです。
障害の当事者が作る当事者目線のサイトが作れないかと思い、サイトを立ち上げました。ペルオンという名前はPersonnes handicapées(ペルソンヌ・オンディキャピー)の略で、障害者仲間という意味からとりました。
当事者会・支援団体・家族・地域・職業・年齢などの枠を超えて、障害者に関係する全ての人が連携して、さまざまなことにチャレンジし、障害者の可能性を探ってまいります!
ペルオンに興味を持ったあなた!もうすでに、仲間なんです。
- トピックの分類
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●「障害」の表記について
当サイトでは、「障がい者」を「障害者」と表記しています。
「障がい者」という表記の場合、音声ブラウザやスクリーン・リーダー等で読み上げる際、「さわりがいもの」と読み上げられてしまう場合あります。そのため、「障害者」という表記で統一をしています。
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