疾風のごとく駆け抜けるりぼん社の障害者運動奮闘記!小林敏昭さんにインタビュー!!! (2/3)

1 2 3

そよ風のように街に出よう0号

Q.今のお仕事(りぼん社の活動)はどうでしょうか?どんなところが生きがいにつながっていたり、どんなところが楽しかったりするでしょうか?

A.生きがいねぇ。今の仕事は、一つはこの「季刊しずく」というのを小さいけれども柱にしているのと、あとは色々な現場を持っているので。

現場というのは、一つは知的障害の人の冤罪事件で「野田事件(1979年9月11日、千葉県野田市で発生した殺人事件およびそれに伴う冤罪が指摘されている事件)」というのがあって。小学校1年生の女の子が殺された事件。その近くに知的障害の青山さんという方が住んでいて、最初から見込み捜査で捕まっちゃった。彼も今年(2018年)の9月に亡くなった。ずっと再審請求をしている最中に亡くなったので、どうするか、弁護団と相談したりしている。そういうのをいくつか抱えていたりします。

あとは、奈良の梅谷さん。「そよ風」の準備0号(1979年発行)を作って、そのとき特集したのが梅谷尚司君。当時は多動性情緒障害とか言われたけれど、今は強度行動障害とか言われるようになった。突然パニックになったり物を壊したり、相手に暴力をふるったりするという障害なんだけれど、彼を普通学級に入れたいというお母さんの強い思いがあって就学闘争に取り組んだ。半年ぐらい地域の中学校が受け入れてくれた。その彼も今は55歳。奈良でお母さんと2人暮らしなので、たまに定期的に僕はそこに行っている。介護で。彼とも40年くらいの付き合いで。そういうことをやったり、そうやって色々な現場とつながりを持って、情報発信をしている感じかなぁ。今はね。

そよ風のように街に出よう90号・91号

Q.どんな道もよいことばかりではないと思います。うまくいかなくて悩んだ時などの話もお聞かせいただけますか?

A.もう、ずっと悩み続けているね(笑)。一番やっぱり苦労するのはお金の話でね。創刊号の時に最初だけバーッと売れたけれども、あとはずっと低空飛行だったから。ちゃんと回収できて、支払いもできて、2~3人の人件費も出せていた時期もあったけれども、そんなに長くは続かなかったから。その苦労は一番大きかったかなぁ。だから色んな人にカンパを要請したり、10万円ずつ集めて回ったりね、そういうこともありましたね。まぁ、僕らの活動っていうものをみんなも認めてくれていたから、カンパも集まったりした。だから、大阪の青い芝の会の人たちと一緒に活動しながらね。

絵本を出して、学校に案内を送って売りに行ったこともある。あれも一時期売れたことがある。教材としてね。ただそれもまぁ、長くは続かない。本は大変(笑)。うちのサイトを見ていただいたら、今も買えます。

落ち込むということはあんまりないけど、そういう苦労はずっと続いていましたね。若いころは熱意で乗り越えてきたけれど、だんだんだんだんそれがそうもいかなくなってくる(笑)。

Q.楽しかったことや、感動したこと、今だから言える失敗談とかの話もお聞かせいただけますか?

A.僕らは毎日本づくりをしたり、若いころは、雑誌「そよ風」が季刊だったから3か月に1回出していました。最後のころは年2回くらいしか出なかったけれど(笑)。ずっと年4回出していた。雑誌が出るたびにそれを車に積んで、1週間全国を、今回は東北、今回は九州みたいな形でね、僕ともう一人、三矢さんというのがいて、2人で分担をして読者を開拓しにいっていた。ぐるぐる回るんです。地域を決めてね。宿がないときは車で、雑誌を敷いて、そのうえで寝るという、そういう苦行があった(笑)。それが僕は楽しかった。若いころは。

色んな人に出会えるし、大阪の障害者運動というのは、全国的にもかなり進んでいて、層が厚かった。部落問題や在日の問題があるから差別に対しては、みんな敏感だったから。そういう思いでもって、田舎で本当にもう、施設の中に放り込まれて何十年もそこで生活している人に出会ったりするとね、やっぱり「そこから出なきゃいけないよ」みたいな話ができたりする。そういうことができたりするのが面白かった。苦労は多かったけれど楽しかった。当時はね。

でも30代までだね。40代になるともう、しんどくなって(笑)。とにかく、われわれの出版活動の中には宿泊費なんて項目がないのよ。だから自前で安い宿に泊まるか、行った先で泊めてもらうか、それがだめなら車で寝る。ガソリン代だけは事務所で出す、みたいな(笑)。

その1週間は、本を売る事、ネタを拾うこと、ネットワークを作る事、その3つか4つの任務があったから、それを全部やっちゃおうというのだからハードでした(笑)。今思うとよくやったなぁと思います(笑)。

1 2 3

ペルオンとは?

ペルオンはホープグループ、ミッション株式会社を母体にしたペルオン実行委員会が制作してるポータルサイトです。

障害の当事者が作る当事者目線のサイトが作れないかと思い、サイトを立ち上げました。ペルオンという名前はPersonnes handicapées(ペルソンヌ・オンディキャピー)の略で、障害者仲間という意味からとりました。

当事者会・支援団体・家族・地域・職業・年齢などの枠を超えて、障害者に関係する全ての人が連携して、さまざまなことにチャレンジし、障害者の可能性を探ってまいります!

ペルオンに興味を持ったあなた!もうすでに、仲間なんです。

トピックの分類
精神障害の仲間
発達障害の仲間
知的障害の仲間
身体障害の仲間
その他の仲間
当事者
家族
支援者
医療従事者
研究者

「障害」の表記について

当サイトでは、「障がい者」を「障害者」と表記しています。

「障がい者」という表記の場合、音声ブラウザやスクリーン・リーダー等で読み上げる際、「さわりがいもの」と読み上げられてしまう場合あります。そのため、「障害者」という表記で統一をしています。

メルマガでいち早く、更新をご案内します。ご希望の方はメールフォームにてお申し込み願います。

画像