2020年5月18日更新

ウキョウの鉄道探訪記

鉄道が大好きなウキョウさんが送る、関西の様々な鉄道の路線、駅などなどの「ここが魅力」を伝えてくれるコラムです。一緒にあの路線、この駅などを旅してみましょう。

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第6回 JR西日本 天王寺駅(大阪市天王寺区・阿倍野区)(1/2)

お久しぶりです。ここしばらくの間事業所を移ったりなどで忙しく2020年になってから書けていませんでした・・・。

久しぶりという事と、出てくる車両が多いのでロングになります。今回はここ10年の間に再開発され、観光客が増えている天王寺駅です。

天王寺ステーションビル(天王寺MIOプラザ館)とMIO本館
1962年(昭和37年)9月に「天王寺ステーションデパート」として開業し2002年(平成14年)に「ステーションプラザてんのうじ」に、2011年(平成23年)7月に現在のMIOプラザとなった。
また、2003年(平成15年)3月までは外装が黒であった。

2013年(平成25年)4月にリニューアルされた阿倍野歩道橋と、2014年(平成26年)4月に開業したあべのハルカス。

駅周辺は近鉄百貨店と、阿倍野歩道橋の建て替え、キューズモールがオープンするなどガラリと代わり、2000年代の面影は半分ほどしか残っていません。

JR天王寺駅は大阪の中心を周る大阪環状線の起点。関西空港・和歌山・奈良方面へのターミナル駅でもあり、分岐点となっています。

地上には阪和線ホーム、階段を降りた半地下のホームには大阪環状線、大和路線と関西空港方面、南紀方面の快速・特急列車が乗り入れており、ホームは10番乗り場がない1番から18番乗り場まであります。

1~9番乗り場が阪和線の天王寺発の列車で、11~14番乗り場が大阪環状線、15番乗り場が阪和線、関西空港線の環状線からの直通列車、特急はるか・くろしお号、16番乗り場が大和路線、17番・18番乗り場がJR難波方面と大阪環状線の快速列車、新大阪方面の特急列車がそれぞれ発着しています。

今回は写真、車両、エピソードを見てみましょう!

阪和線ホーム。実はこのホームだけ阪急・阪神大阪梅田駅などで見られる櫛形ホームになっています。

何故なのかと言いますと、阪和線は1929年(昭和4年)7月18日に阪和電気鉄道という官設鉄道(後の国鉄・JR)ではない私鉄の路線から始まりそれぞれ別に駅舎が設けられていました。

阪和天王寺駅から阪和東和歌山駅(現在の和歌山駅)までの62.8kmを結ぶ鉄道会社。現在ある大半の駅は既に開業しており、特急くろしお号の原形になった紀勢本線との直通列車、「黒潮」号を運行するなど現在のスタイルの一部は開業初期に既に確立されていました。

天王寺〜和歌山間ノンストップの「超特急」で、阪和間を45分で結んだという日本の鉄道史に残る伝説的存在として語り継がれていましたが、実際は営業不振、南海電鉄との競合、戦時下という様々な事情が重なり経営難に陥ってしまいました。

そして第二次世界大戦中の1940年(昭和15年)12月1日、国の意向により競合していた南海電気鉄道と合併し「南海山手線」となりました。

ですがその4年後の1944年(昭和19年)5月1日、国が戦時買収という方針を出し、全国22社の私鉄を国有化し南海電鉄の路線としては3年5ヶ月、私鉄としては14年10ヶ月の短命に終わり、運輸通信省(後の国鉄・JR)阪和線の駅となりました。

そして現在の天王寺駅が出来上がったという、かつて、伝説を生み出した鉄道会社の名残だったのです。天王寺駅と南海のお話はこれとはまた別にあるのですが、それはまた別の機会に・・・。

1番乗り場は今は臨時ホームとして定期で使用されていませんが、かつては天王寺発着のきのくに線(紀勢本線)直通の快速・特急のホームとして使用され2011年(平成23年)3月までは「はんわライナー」、1989年(平成元年)7月22日に大阪環状線、梅田貨物線、JR京都線(東海道本線)を経由した新大阪・京都乗り入れが始まるまでは「くろしお」が発着しており、全盛期は中間改札や乗車券販売所も設けられていました。

現在の阪和線は2018年(平成30年)3月に103系が引退、205系が奈良線へ転属して以降普通・快速が223系、225系の2車両、特急が281系、271系(2020年3月より運用開始)、283系、287系、289系の5車両で運行されています。では1車両ずつ見ていきましょう。

103系スカイブルー
関西では最も早く、1968年(昭和43年)10月1日(「ヨンサントオ」と呼ばれた白紙ダイヤ改正)に、103系初の快速電車として投入。
2016年(平成28年)7月からのリフレッシュ計画により4両での運用が223系・225系に置き換えられ、2017年(平成29年)8月以降は支線である羽衣線のみの運用となったが、2018年(平成30年)3月16日を持って50年間続いた運用が終了。

205系0番台
1988年(昭和63年)3月から阪和線での運用を開始。窓の大きい1000番台も存在する。
2011年(平成23年)から順次リニューアル工事が行われ、一時は東海道本線の京都~大阪~尼崎間のラッシュ運用に就くことに伴い0番台全てが転属となったが、数年で日根野電車区へと戻っており運用復帰している。
2018年(平成30年)3月16日を持って、阪和線での30年間の運用を終え奈良電車区へ全編成が転属。翌日のダイヤ改正より奈良線の運用に就いた。

223系
1994年(平成7年)4月1日、関西国際空港へのアクセス向け車両としてデビュー。
座席が2+1のクロスシートになっているのが特徴。
阪和線・関西空港線だけでなく、大阪環状線ときのくに線の運用にも就いている。
2016年(平成28年)7月からのリフレッシュ計画により、阪和線の普通列車の定期運用にも就くようになった。

225系5000番台
113系、221系を置き換える目的で導入され、2010年(平成22年)12月1日デビュー。
223系と同様の運用に就いている。

225系5100番台
阪和線リフレッシュ計画の一環で、2016年(平成28年)7月にデビュー。
103系・205系の4両運用を置き換え、2018年(平成30年)3月17日からは羽衣線での運用も開始。

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  • ウキョウ

    大阪在住。特別支援学校(旧:養護学校)卒。鉄道、ゲーム、バスケ観戦などが好きな多趣味な若者です。自閉症スペクトラム障害 (ASD・B2)を抱えています。
    普段は就労継続支援B型施設に通っています。ここでは関西を中心に様々な鉄道の路線・駅などについてご紹介していきます。よろしくお願いいたします!

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