2020年1月31日更新

特集!映画紹介

今回は、映画紹介を行います。ここで紹介します映画は、何らかの形で障害のある方を扱った映画だったり、障害に関する映画だったりします。素敵な映画との出会いがあるかもしれません。この映画紹介は、就労移行支援や就労継続支援施設の協力を得て作りました。ネタバレを起こしている映画もあるかもしれませんので、ご理解いただける方のみ御覧願います。

『クワイエットルームにようこそ』

オーバードーズで担ぎ込まれた明日香は、閉鎖病棟へ。摂食障害や自殺未遂をした女性患者達がいて、数少ない娯楽を通じて、仲間と変わっていきます。正常なつもりで、実は壊れてしまった自分や仲間。閉鎖病棟で、仲間たちとハイテンションに遊んだりしながら、病を少しずつ治していく過程を見ていると、人の心の正常と異常の違いなんて、誤差程度なのだろうって思わされました。

深読みを好む人には向かない映画かもしれない。でも、多くの女性患者をリアルに描いているにしては良くも悪くもコメディ的で暗さも無くて、とっつきやすい映画ではあると思います。最後に、退院した彼女の車中の晴れ晴れとした様子に、これからも続く人生という長い道と、そこにある希望が感じられました。(高瀬優人)

『この世界の片隅に』

2016年11月に劇場公開されたアニメーション映画です。昭和19年(1944年)、広島市から呉市に18歳で嫁いだ主人公すずが、戦時下の困難の中にあっても、工夫を凝らして心豊かに生きていくが、ある出来事をきっかけに大切なものを失ってしまう。同時期に「君の名は。」が公開されていたこともあって、その知名度は低いですが、根強いファンに支えられ、公開から3年近く経過した2019年現在も異例のロングラン上映が続いています。(2019年8月8日には連続上映1000日達成)

恥ずかしながら、私もこの作品についてほとんど知らなかったし、内容が戦争をテーマにしているということもあって敬遠していました。しかし、先月(2019年8月3日)、NHKでこの作品が放映され、視聴したのをきっかけに、いわゆる戦争モノに対する暗いイメージは払拭されました。 もちろん、暗いシーンや悲しいシーンの描写もありますが、主人公すずさんのほんわかとしたキャラクターがそれを帳消しにしてくれる、そんな気がしました。年末(2019年12月20日)には、約30分の新規場面を追加した別バージョン作品(長尺版)として「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が公開される予定なので、今から楽しみにしています。(ナタル)

『カッコーの巣の上で』

題名にある“カッコーの巣”とは、アメリカでの精神病棟の隠語で、主役の男は刑務所での労役を逃れるために精神病を装(よそお)って“カッコーの巣”に入所。彼は、そこでの管理体制に反発し、病棟のルールに反抗していきます。他の入所患者たちも『自由』を求める主人公の言葉や行動に徐々に感化され、やがて、彼に賛同するようになっていきました。

ここまで鑑賞して僕は、「このあとは、主人公が他の患者たちと一緒に破天荒なルール破りをして、管理者たちからお仕置きのようなものを受けるが、最後は主人公がうまく病棟から脱走して楽しく終わるだろう」と、展開を予想したのですが、まったく、そうはならず、予想外の衝撃的な結末を迎えてしまいました。僕は、婦長をはじめとする管理者たちに抑圧されて、人間としての尊厳を奪われていく入所患者たちの姿にやりきれなさ感じ、鑑賞し終わったあとに、とてもヘビーでブルーな気持ちになりました。(ヤン・デルマン)

『レインマン』

トム・クルーズ演じる、奔放(ほんぽう)な性格の自動車のディーラーであるチャーリーとチャーリーの兄で自閉症のレイモンドが父の死をきっかけに知り合い、ストーリーが進展していくのですが、まず驚いたのが、レイモンド役を演じた名優ダスティン・ホフマンの演技の凄さです。彼はこの作品で、その年のアカデミー主演男優賞を受賞しているのですが、役作りのために自閉症の人たちとともに1カ月間生活し、彼らから、その特性を学んだそうです。

チャーリーとレイモンドが知り合った当初、チャーリーの会社は経営が火の車状態だったのに対して、レイモンドのほうは父から信託財産として300万ドルの遺産を相続。弟チャーリーは兄が相続した遺産の半分を自分のものにしようと企んでレイモンドを彼が入所している施設から職員に無断で連れ出します。そして、一緒に父の遺したクラッシックカーを走らせてロサンゼルスまで1週間の自動車旅行をすることになるのですが、その旅のなかで兄弟が時間と体験を共有し、ぶつかり、お互いに感情を爆発させながらも少しずつココロの距離が近づいていきます。そして、旅を終えロスに着いてからチャーリーが『金はもういらない。俺は兄貴がいてくれたことがうれしい』という言葉を口にします。僕は、この言葉を聞いて胸が熱くなり、人と人が時間と体験を共有することの大切さをあらためて感じました。素晴らしい映画です。よろしければ一度、鑑賞してみてください(*^^)v (ヤン・デルマン)

『世界にひとつのプレイブック』

私が観たのは「世界にひとつのプレイブック」です。妻のニッキーに浮気され、躁うつ病になったパット。依存症のティファニー。心を病んで、一度はすべてを失ったふたりの物語です。病識が薄くて、自分の異常を理解していないパットのハイテンションで無理な言動も、気まぐれとも取れる無茶な言動をするティファニーも、衝動的というか危なっかしくて切なく、一種ハラハラさせられます。元の教職に必死に復帰しようとし、またニッキーとよりを戻そうと、どう見てもよりを戻せそうも無いのに気づけないで絶望的な努力をするパットの姿、そしてティファニーとの関係。切なくもコミカルに描かれ、病を抱えた私にも、勇気と希望をわけてもらえました。(高瀬優人)

『音符と昆布』

嗅覚障害の主人公と、突然現れた自閉症に近いアスペルガー症候群の姉との交流を描く作品です。物干しのシーンなどとてもきれいなシーンもあり、ええっ!?とドン引きするような場面やこだわりが表現される場面などもあり、とても興味深く見ることができました。最後のお姉さんが発する「ある言葉」に関する解釈は、僕と主人公では違うのですが、まぁ、それもありかなと思います。それと、自分も発達障害があるためか、自分の生活と照らし合わせてみてしまうので、現実はなかなかこうはいかないよと思えたりもするのですが、映画の世界では周りの支えもあり、こういう人生、これもありかなぁと思えました。「素敵なそよ風が流れる」、そんな感じに思えてよかったです。(はやと)

『ルディ/涙のウイニング・ラン』

実在のフットボール選手、ルディ・ルティガーの経験を描いた映画です。作中ではあまり語られていないけど、ルディは読字障害を抱えています。憧れのノートルダム大学のフットボールチームに入るなんて、かなわぬ夢と思っていたのですが、ある出来事がきっかけで、夢を実現させるべく、歩み始めます。そして何度も入学に失敗しながらも、入学(転入学かな?)、そしてフットボールチームに入り、試合に出るという体験をつかみとっていく映画です。非常にストレートに個人を追い続けた映画。その監督の姿勢にとても好感が持てました。できる限りのことをして、精一杯生きるという生き方が素敵でした。夢を持っている人は、一度は見てほしい映画です。(はやと)

『アルジャーノンに花束を(テレビドラマ)』

自分の言葉を発信する方法は、人それぞれだと思うけれど、一生懸命発信したいと思っても、間違った方向に解釈されると、思いを伝えたいと思った人、自分自身も傷ついてしまうのかなと感じました。生まれたまま生きていくのもありだと思う。夢を持ち続けながら、自分の生きていく道を探していくこともありだと思う。当てはまるか分かりませんが、自分自身も知的障害を抱えており、人に物事を伝える方法は難しく、時には人よりも何十倍、何百倍と時間をかけても思いや、気持ちが伝わらないと感じる日々も多かった毎日です。自分自身、人に気持ちを伝えることができなかった。そんな時は自分自身を傷つけてしまいたいと思う。その気持ちは今も変わらないと思います。

自分を守ってくれる人が、誰か一人でもいればいい。今の自分にはそんな守ってくれる人がいないかもしれないけれど、頼りたい、遠くからでも支えていただける人がいる様な気がします。

以前の自分だと、感情を少なくするためにも、「言葉でなく、物・暴力で対抗したい自分を守りたい」と思っていたけれど、どちらかが傷つき、悲しむことになると感じたのか、今は自分自身に非がなくても自分を傷つけたい。そうすれば、楽になれるかもしれないと気持ちを落ち着かせる日々も、言葉は上手く伝えれない、上手く表現できなくても、相手の気持ちを理解できることができたら、もっと楽な生活を送れるのかなと感じました。

人は涙もろいと思います。障害を持っている人も持っていない人も今後は「気持ちもお互い上手く伝えられる方々」が見つかれば「もっと一人になることもならない。孤立・孤独になんかならない」と思います。最後に、最後の方は辛くてVTRを見なくても辛いと思い、最後まで見ることができませんでした。ただ同じ障害・知的障害を持つ立場として人のぬくもり、愛情があれば大きな辛いことでも、時間はかかるかもしれないけれど、乗り越えられるのかなと思った内容だと感じました。(ホホエミ100%)

ペルオンとは?

ペルオンはホープグループ、ミッション株式会社を母体にしたペルオン実行委員会が制作してるポータルサイトです。

障害の当事者が作る当事者目線のサイトが作れないかと思い、サイトを立ち上げました。ペルオンという名前はPersonnes handicapées(ペルソンヌ・オンディキャピー)の略で、障害者仲間という意味からとりました。

当事者会・支援団体・家族・地域・職業・年齢などの枠を超えて、障害者に関係する全ての人が連携して、さまざまなことにチャレンジし、障害者の可能性を探ってまいります!

ペルオンに興味を持ったあなた!もうすでに、仲間なんです。

トピックの分類
精神障害の仲間
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当事者
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医療従事者
研究者

「障害」の表記について

当サイトでは、「障がい者」を「障害者」と表記しています。

「障がい者」という表記の場合、音声ブラウザやスクリーン・リーダー等で読み上げる際、「さわりがいもの」と読み上げられてしまう場合あります。そのため、「障害者」という表記で統一をしています。

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